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所有者不明
今回は所有者不明土地制度の概要についてお伝えしたいと思います。
まず所有者不明土地とは何でしょうか。
それは登記簿を見ても所有者が分からない土地を指します。それには長期間にわたり所有者が確認できない土地、または所有者が所在不明・死亡し、相続手続きが行われていない土地などがふくまれます。この問題は日本国内で増加しており、全国で約410万ヘクタール(東京都約19個分)に上ります。
所有者不明土地制度とはなんでしょうか。
所有者不明土地制度(所有者不明土地の制度)は、土地の所有者が不明である場合に、その土地を管理・利用・処分するための法律的枠組みや行政制度を指します。この問題の解決に向けてさまざまな法的な対応が進められています。
以下所有者不明土地制度について考えていきます。
- 背景
所有者不明土地が問題となる背景には、以下のような要因があります。
- 相続未処理:土地の所有者が死亡した後、相続手続きが行われず、相続人が確認できないケース。
- 所在不明の所有者:土地所有者が行方不明となったり、長期間居住していなかったりする場合。
- 地籍不整備:特に過去に土地の登記が不完全だった地域では、土地の所有者が明確でないことがある。
- 遺産分割の問題:相続人間で遺産分割が進まず、土地の所有権が明確でない場合。
所有者不明土地は、公共事業の進行や土地利用の効率的な活用に支障をきたすため、解決が急務とされています。
- 所有者不明土地制度の目的
この制度の主な目的は以下の通りです。
- 土地の適正な利用:所有者不明の土地が放置されると、違法占拠や荒廃の原因となります。制度を通じて、土地が適切に管理・活用されるようにする。
- 公共の利益の確保:公共事業の実施や地域開発において、所有者不明土地を迅速に解決することで、社会的・経済的利益を生み出す。
- 相続問題の解消:相続手続きの促進や、相続人不明土地の整理を進めること。
- 制度の主要な取り組み
日本では、所有者不明土地の問題に対応するために、いくつかの法律や制度が導入されています。
- 土地基本法(2016年):土地の所有権を明確にすることを目的として、所有者不明土地の問題に取り組むための基本方針が示されている。これにより、土地の登記や相続手続きの円滑化が進められている。
- 土地の利用の円滑化に関する法律(所有者不明土地利用促進法、2020年):この法律は、所有者不明土地に対する行政の対応を強化し、土地の管理や利用を進めるための仕組みを整備している。具体的には、地方自治体が所有者不明土地の情報を集約・管理し、その利用促進や取り決めを行うことができる。
- 相続登記の義務化(2024年4月):これまで任意だった相続登記が2024年(令和6年)4月1日から義務化された。相続が発生し相続人が土地を相続した場合、速やかに登記を行うことが求められる。具体的には、不動産を相続した相続人は、その所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請を行う必要がある。これにより、所有者不明土地の発生を防ぐとともに、土地の所有者を明確にすることができるようになった。そもそも相続登記の義務化の目的は、所有者不明土地の解消にある。相続登記の義務化に伴い、罰則が科される。罰則は次のとおり。
① 正当な理由がないのに相続登記の申請を怠った場合は、10万円以下の過料が科される可能性がある。
② 科された過料を支払わなかった場合は、不動産をはじめ財産を差し押さえられるリスクがある。
- 所有者不明土地の処理方法
所有者不明土地の処理には、以下のような方法が考えられます。
- 登記の促進:所有者不明の土地について、速やかに登記を行うことで所有者を確認する。
- 行政の介入:土地の管理者や自治体が積極的に関与し、土地の利用や売却を促進する。
- 権利放棄や国庫収用:最終的には、所有者が不明である土地に関して、一定の手続きを経て国がその土地を収用するケースもある。
5.課題と今後の展望
所有者不明土地の問題には、以下のような課題があります。
- 相続手続きの複雑さ:土地所有者の死亡後、相続人が複数であったり、相続人が不明だったりすると、土地の権利関係が複雑になり、解決に時間がかかることがある。
- 地域差と規模の違い:所有者不明土地の規模や問題の深刻さは地域によって異なり、特に過疎化が進んでいる地域では、問題が顕在化している。
- 従来の法的枠組みの限界:所有者不明土地を効率的に処理するためには、法的枠組みの見直しや、民間の協力を得る必要がある。
今後は、土地の登記の早期化や、行政による土地管理の強化が進められることが予想され、所有者不明土地の問題解決に向けた取り組みが加速していくと思われます。
- まとめ
所有者不明土地制度は、土地所有者が不明または確認できない土地の適正な管理と利用を目的とした制度です。日本では、法的な整備が進むとともに、所有者不明土地に対する行政の対応強化や相続登記義務化などが進められており、今後はこの問題の解決に向けてさらに前進することが期待されます。